アグロ・ベルリン

アグロ・ベルリン(Aggro Berlin)―ドイツ連邦共和国の首都ベルリンを根拠地とするこのレコードレーベルは、ヒップホップを専門に扱うインディーズ系レーベルとして、この国のヒップホップ(Deutscher Hip-Hop)を牽引する数多のラッパーたちを送り出してきた。

アグロ・ベルリン―そのロゴ
アグロ・ベルリン―そのロゴ

抱えるアーティストたちの発するリリック(詩)やそのテーマには過激なものが多く見られ、それらを原因としてしばしば論争の的となる。

目次

通史

"Aggro"(アグロ)―ドイツのストリートで通用している"攻撃的態度"というような意味のスラング。これをその名称に冠したアグロ・ベルリンは、ベルリンの地に西暦2001年に設立された。その初期にはSidoB-Tightという2名のラッパーが契約していた。

2004年には、所属ラッパーのSidoのデビューアルバム―"Maske"―が発売から一月も経たないうちに10万枚以上を売り上げる。その夏にSidoはドイツの名高い音楽賞の新人賞を奪取することとなった。発起の時期から所属していたBushidoはこの年にここを去り、ユニヴァーサル・ミュージック(Universal Music)へと移籍した。

G-Hotは2006年まで契約していた。その楽曲―"Keine Toleranz"をインターネットを通して発表した2007年7月、彼はこれ以上の契約は難しいとの旨をアグロ・ベルリンから告げられ、やがて去っていった。Boss Aと組んだこの楽曲は、同性愛者を激しく攻撃し殺すとまで言っているもので、結局どこのレコードレーベルからも公式発売されることはなかった。

2007年の10月以降は完全なインディーズレーベルではなくなり、ユニヴァーサル・ミュージックとともにその事業を展開。今のところ、SidoB-Tight、Tony D、Fler、Kitty Kat、という5名のアーティストが所属している。

批判

アグロ・ベルリンはその発起のときからしばしば批判にさらされてきた。

そうした批判のなかで主に槍玉に挙げられるのは、同性愛者や女性に対する蔑視の傾向(と論者が見做すもの)を有する彼らの振る舞いについてである。

更には、この国―ドイツでは禁忌(いわゆる『タブー』)となっている『人種差別』の表現を持つとして批判する向きもある。例えば"Neger bums mich"などといった表現を含む作品が見られ、なかでもB-Tightは頻繁に"Neger"(ネガー)―黒人を指すやや侮蔑的な表現で英語のNegro(ニグロ)に相当―という表現を発している。この"Neger bums mich"の意味については、ある資料[1]では、"Negro, fuck me"と訳されている。しかしながらこれは―同性愛者嫌悪の傾向が強い『ラッパー』という人種がこのようなこと―『俺をやれ』―を言うであろうか、という点で疑問の噴出を禁じえない。おそらくこれはドイツ人が訳したものであろう。ドイツ人というのは隣国フランスの人々と同じで、その多くが英語がからっきしダメなので、こうした妙な訳をしてしまうことが充分にあり得るからだ。

Urban Dictionaryによれば、所属ラッパーのSidoもこの"Neger"という表現を用いている。しかしながらこれは、黒人に対する憧憬から自分自身をこう呼んだものであるという。そしてそもそもB-Tightの場合は、自らで"Der Neger"(デァ・ネガー)という異称を自身に与えているのであって、そしてこの男は自身の肌を黒く塗装するほどのいわば『黒人崇敬者』なのであって、『リベラル屋』の期待するような『差別的意図』をそこに見い出そうと足掻いてみても―それが不毛であることは言うまでもないだろう。

資料

リンク

公式"Aggro Berlin"