ギフト・オブ・ギャブ

サンフランシスコの湾岸地域―いわゆる西海岸を根城に活動を続ける、特にブラッカリシャスのMCとして名高いラッパー、それがギフト・オブ・ギャブ(Gift of Gab)という男である。

ブラッカリシャスのDJ―チーフ・エクセル(右)、そしてギャブ(左)。
ブラッカリシャスのDJ―チーフ・エクセル(右)、そしてギャブ(左)。

ミシシッピ州のヴィックスバーグという町に生まれたティモシー・パーカー(Timothy Parker)―のちのギフト・オブ・ギャブ―は、幼少時代を経てカリフォルニア州サクラメントのジョン・F・ケネディ・ハイスクール(John F. Kennedy High School)という公立高校に入学し、1987年―共通の友人を通してゼイヴィア・モズリー(Xavier Mosley)―のちのチーフ・エクセル(Chief Xcel)―と知り合った。その翌年―1988年にモズリーとともにデュオを結成。このデュオがブラッカリシャスの起源である。

高校を卒業するとロサンゼルスに移り、やがてエクセルを含めたUCデイビス(カリフォルニア大学デイビス校)のヒップホップ愛好家たちと交流を深める。そのような時期に、チーフ・エクセル、DJシャドウ、リリックス・ボーンラティーフジェフ・チャンらと協力し、ソールサイズ(Solesides)というヒップホップ集団/レコードレーベルを立ち上げた。のちのクアナム・プロジェクツであった。

1992年になるとエクセルとともにブラッカリシャスを正式に結成―その2年後にブラッカリシャスとしての初のSPとなる『スワン・レイク(Swan Lake)』をリリースし、アンダーグラウンドにありながらそれなりの成功を収めることになった。

そうしてブラッカリシャスとしての活動のなかで細々ながらEPやLPを世に送り出してゆくなかで、2004年には『フォース・ディメンショナル・ロケットシップス・ゴーイング・アップ(4th Dimensional Rocketships Going Up)』と題したソロのアルバムをクアナム・プロジェクツとエピタフ・レコーズから発表。

初のソロLPとなったこのアルバムの、その2トラック目にあたる『ラット・レース(Rat Race)』という楽曲は、『サッカーAM』という、イギリスで非常に人気のあるテレビスポーツ番組でよく流されてもおり、3トラック目にあたる『ウェイ・オブ・ザ・ライト(Way of the Light)』はダイエット・コークのコマーシャルで使われもした。

もっともっと広く認知を受けるべき逸材だ―アンダーグラウンドにありながらそのような評を得ることもしばしばのギャブ。2007年の10月29日には、ヘッドノディック(Headnodic)―よそのヒップホップバンドのベース弾き―とラティーフとともに『ザ・プレリュード(The Prelude)』という6トラック入りのEPを発表した。この二人とは同年から『ザ・マイティ・アンダードッグス(The Mighty Underdogs)』というグループを組み、西海岸を貫くアンダーグラウンドの風の『今』をありありと世に伝え続けている。

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