クラッシュ・ダイエット

クラッシュ・ダイエット(Crash diet)―素早い減量を実現するために栄養の摂取を極端に制限し、しばしば飢餓状態に陥るほどのダイエットのことをこう呼ぶ。その実行者の多くはおおよそ数週間にわたってこれを行い、そしてその者たちの少なからずが、その終結から数週間で実行前より豊満になる。

〔左〕クラッシュ・ダイエットを経てグラミーの舞台に現れたビヨンセ〔右〕その敢行の前のビヨンセ
〔左〕クラッシュ・ダイエットを経てグラミーの舞台に現れたビヨンセ
〔右〕その敢行の前のビヨンセ

明らかに身体に優しくない―不健康的な―このダイエット法は、もうすぐ開かれるプロムに着ていくドレスに身体を合わせるために―などといった、とにかくその減量に急を要する場合に敢行され、その実行者の多くは女性。掛かりつけの栄養士や医師の忠告も、切羽詰まった彼女たちのその耳にはもちろん入ることなく、かくして美の挑戦者は自身の身体に鞭打ちその門をくぐるのだ。

単に食事を摂らないというより、カロリーの摂取量を極端に制限するという基本原則のもとで、いくつかの定石があるようだ。すなわち、一日に、

  • 果物を2つ
  • バナナを4本
  • 脱脂粉乳を4杯
  • ビタミンのサプリメントを1カプセル

といった感じである。ゆで卵やカッテージチーズで代用することもあり、多量のカフェインで代用するといったこともしばしばあるようである。

強いて意訳するならば―『破壊的ダイエット』もしくは『破壊的減量』、更に意訳してみるならば『カミカゼ・ダイエット』とでもなろうか。

いずれにしても、その実行者はとにかく急を要する事態に直面したうえで―この無謀な―かくも無謀なこのダイエットを敢行するのが常で、長期的かつ計画的な減量を目論むものではない。そしてその実行者の多くが、これを終えたあとにヨーヨー効果―いわゆるリバウンド―に見舞われるのだ。

それはいわば―ひとときの輝きとともに消えゆく夏の日の花火のような―。

資料