グレープフルーツ・ダイエット

グレープフルーツ・ダイエット(Grapefruit diet)―またの名をハリウッド・ダイエット(Hollywood Diet)ともいうそのダイエット法は、1930年代のハリウッド―アメリカ合衆国のあの『映画の都』―に起源を持つと語られている、その文字通りにグレープ・フルーツをその道具とするダイエット法である。

『国立病院ダイエット』というダイエット法が日本語圏に流布しているが、その内容の類似の度合いから見て、このグレープフルーツ・ダイエットと同一またはその亜種であることに間違いはない。また―なぜ『ハリウッド』なのかは不詳である。おそらくはハリウッドの女優らの秘伝であると銘打ってでもいたのであろう。

グレープフルーツ

その概要は簡単なもので、日々の食事の量を極端に制限したうえで、そのメニューにグレープフルーツを据えるというもの。例えば、

  • 朝食 - 2つのゆで卵 + 2切れのベーコン + 1つのグレープフルーツ/または8オンス(おおよそ227グラム)のグレープフルーツ・ジュース
  • 昼食 - サラダ + 肉 + 1つのグレープフルーツ/または8オンス(おおよそ227グラム)のグレープフルーツ・ジュース
  • 夕食 - サラダ/または他の緑黄色野菜料理 + 肉または魚 + コーヒーまたは茶を1杯

というようなもので、クラッシュ・ダイエットとまでは言えずも、一般的なアメリカの食事からすればかなりの制限が課せられている。これを18日間続けるのだという。

迷信的ダイエットの一種と見做されたうえで忘れ掛けられていたこのダイエット法は、1970年代も半ばの頃から、口コミを通してアメリカ合衆国のダイエット市場でふたたび人気を得始めた。この国に随一の権威を有する医療機関―メイヨー・クリニック(Mayo Clinic)の太鼓判があるなどと囁かれてきたが、当方はそれを否定し、更にこのダイエット法について、非常に偏った―バランスの悪い―ものであり、危険であると表明している。

そんなこのダイエット法がみたび注目を集め始めたのは、2004年に発表された、ニュートリション・アンド・メタボリック・リサーチ・センター(Nutrition and Metabolic Research Center)のケン・フジオカ(Ken Fujioka)という博士の率いる研究であった。とあるクリニックの患者を被検体として行われたこの研究(実験)が、グレープフルーツが体に及ぼす効果を示す過程で、このダイエット―グレープフルーツ・ダイエットの有用性を示したのだ。

すなわち―それぞれの食事とともにグレープフルーツを半分食べた被検体は、おおよそ3.6ポンド(おおよそ1.6kg)の体重を失い、グレープフルーツのジュースを1日に3回飲んだ検体は、おおよそ3.3ポンド(おおよそ1.5kg)の体重を失った。最終的に、被検体の多くはこの実験でおおよそ10ポンド(おおよそ4.5kg)以上の体重を失ったのだという。

更にフジオカ博士の研究は、このダイエットがインスリンのレベルを減少させること、そしてこのダイエットが血糖値の調節に影響を及ぼすことを発見した―そのようなことを示唆していた。グリセミック・インデックス(血糖指数)やグリセミック・ロード(血糖負荷)の値からして、血糖値の上昇を抑制するのだという。

あわせて、この果物のグリセミック・インデックスの数値は、脂肪の燃焼のための新陳代謝を活性化させることを示す―そんな他説も、このダイエットの有用性についての肯定的見解を補強した。

管理栄養士の松本理華女史は、このダイエット法の日本版と思われる『国立病院ダイエット』について、これを『危険なダイエット法』であると明確に結論付けている。やはり栄養のバランスを考慮すれば推奨されないとのことのようだ。

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