ジャン・ピエンコフスキー
英国の首都ロンドンに住まうイラストレーター―ジャン・ピエンコフスキー(Jan Pienkowski)―またはポーランド語でヤン・ピアンコフスキー(Jan Pieńkowski)―は、数多の絵本や児童書の挿絵を手掛けるポーランド生まれの男で、その仕事のうちでも特にポップアップ・ブック(pop-up book)―いわゆる『飛び出す絵本』で高い人気を博している。
西暦1936年―ポーランドの歴史ある首都ワルシャワに生まれたピアンコフスキーは、ヤンという名を授かり、画家と建築家という芸術肌の家系に育った。絵描きとしての才の芽生えはちょうど8歳のとき―父へのプレゼントのために、自らのイラスト入れた本を作ったことだった。
20世紀も半ばに迫り、やがて第二次世界大戦が勃発すると、家族とともにポーランドからオーストリア〜ドイツ〜イタリアなどの欧州の国々を転々とし、1946年―最終的にイングランドのヘレフォードシャーに落ち着く。かくして英国に居を定めることとなったピエンコフスキーは、ロンドンのヴォーン・スクール(Vaughn School)を経て、ケンブリッジ大学のキングス・カレッジに進む。
やがてキングス・カレッジを卒業すると、グリーティングカードを扱うギャラリー・ファイヴ(Gallery Five)という会社を起こした。そうして広告界、出版会、BBC(英国放送協会)の子供番組などでの仕事を続けるなかで、その片手間に絵本のイラストを描いてゆくうちに、これにのめり込んでゆくのである。
1968年になった頃から、絵本作家のジョーン・エイキン(Joan Aiken)とともに絵本の仕事を本格的に始め、ともに仕事を重ねていった。エイキンが『海の王国(The Kingdom under the Sea)』
を発表した1972年には、担当したそのイラストをもってケイト・グリーナウェイ賞の受賞者となった。
そんなピエンコフスキーの名前はおそらく、いわゆる『飛び出す絵本』の作家として最もよく知られている。例えば2度目のケイト・グリーナウェイ賞受賞作となった『おばけやしき(The Haunted House)』
もそうである。
そのイラストレーターとしての半生のなかで、ピエンコフスキーは舞台美術に関心を抱き続けてきた。そこで、英国の劇場、ロイヤル・バレエ団、パリのディズニーランドなどから意匠の依頼を受けもしている。
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