ビフォア・コロンブス・ファウンデーション

アメリカ合衆国の文学を構成する文化的そして民族的な多様性―これを財産と捉えて着目し、これに承認を与え、これの認知を広めることを目標に掲げたうえで1976に設立された非営利組織(NPO)、それがビフォア・コロンブス・ファウンデーション(Before Columbus Foundation)である。

その発起人のひとり―アフリカ系アメリカ人の詩人、イシュメール・リード
その発起人のひとり―アフリカ系アメリカ人の詩人、イシュメール・リード

ビフォア・コロンブス―コロンブス以前―大いなる大西洋を越えてクリストファー・コロンブスがアメリカ大陸を『発見』するより前の時代。

異なる多くの文化によって織り成される文学―『多文化文学』を大きな価値と捉えつつ運営されているこの組織は、詩人のイシュメール・リード(Ishmael Reed)、同じく詩人のヴィクター・ヘルナンデス・クルス(Victor Hernández Cruz)、作家のショーン・ウォン(Shawn Wong)、同じく作家のルドルフォ・アナーヤ(Rudolfo Anaya)という、それぞれ異なる民族的出自を持つ4人によって立ち上げられた。

そんなこの組織―ビフォア・コロンブス・ファウンデーションの活動のうちで最も知られているそれが『アメリカン・ブック・アワード』である。この組織の設立の2年後にあたる1978年に創設されたこの賞は、この組織自身の設立の理念にあわせて、人種、性別、信条、文化的背景、そして分野をも問わず、現代のアメリカ合衆国に生まれた優れた文学作品に着目し、いかなる制限も偏見も排除したうえでそれに栄誉を与えるというもの。

1980年から毎年にわたって多くの者達にその栄誉を与え続けているこの文学賞は、他の名文学賞に見られるという人種差別、性差別、選良主義(エリーティズム)への返答―とそのような理念も設立の趣旨に含んでいたという。

『多文化文学』についての教育と読書を推進するという趣旨の教育活動を司ってもいるビフォア・コロンブス・ファウンデーションは、『多文化文学』をそのテーマとしたカタログを出版するなどの活動も行い、1992年には、アメリカン・ブック・アワードを受賞した作品を集めた2つの作集を出版してもいる。そのうちのひとつは詩を集めたもので、もうひとつは小説を集めたものである。

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