ファッション・ウィーク

世界各所に散在する数多くの都市を舞台に、多くの場合において年に2回―おおよそ1週間にわたって催される『スタイルの祭典』、それを指してファッション・ウィーク(Fashion week)という。

2007年2月―ロンドン―ポール・スミス・ウィメンのアイテムとともにロンドン・ファッション・ウィークのランウェイをゆくディアナ・ドンドー。
2007年2月―ロンドン―ポール・スミス・ウィメンのアイテムとともにロンドン・ファッション・ウィークのランウェイをゆくディアナ・ドンドー

強いて漢訳するならば時装週間―あるいは単にファッション週間となろうか。今や世界中の都市で繰り広げられる行事となったファッション・ウィークは、なかでもロンドン、ミラノ、パリ、そしてニューヨークという、『ファッションの都』としてその名を世界的に知らしめてきた都市群のそれを『4大ファッション・ウィーク』として擁し、その名を馳せている。

目次

歴史

ファッション・ウィーク―のちに名高い祭典となるこの行事は、ちょうど世界がいわゆる第二次世界大戦の真っ只中にあった頃―西暦1943年のアメリカ合衆国に産声を上げた。

当時のファッション界の中心でもあったフランスの『花の都』―パリは、隣国より訪れたナチス・ドイツの占領のせいで、アメリカ合衆国のファッション関係者の訪問を受け入れられないという状況にあった。ちょうどそうしたときに、エレノア・ランバー(Eleanor Lamber)というファッション出版関係者が、『プレス・ウィーク(Press Week)』と題したイベントの発起を呼びかけるのである。―ニューヨーク・ファッション・ウィークの前身にあたるこの『プレス・ウィーク』こそ、のちに発展してゆくファッション・ウィークの起源であった。

第二次世界大戦も終わりを迎え、いわゆる戦後と呼ばれる時代になると、イギリスのロンドン、イタリアのミラノ、そしてフランスのパリ、・・・と、ニューヨークのそれに着想を得たうえで、数多の都市にてファッション・ウィークが生み出されていった。

2007年9月9日―ニューヨーク―ブライアント・パークに開かれたファッション・ウィークの現場をゆくシャネル・イマン。
2007年9月9日―ニューヨーク―ブライアント・パークに開かれたファッション・ウィークの現場をゆくシャネル・イマン

今や―アメリカ合衆国の大都市群は言うに及ばず、スペインのマドリード/バルセロナ、イタリアのローマ、アルゼンチンのブエノスアイレス、ドイツのベルリン、ロシアのモスクワ、ブラジルのサンパウロ、デンマークのコペンハーゲン、フィリピンのマニラ、ポルトガルのリスボン、カナダのトロント/バンクーバー、マレーシアのクアラルンプール、オランダのアムステルダム、ギリシャのアテネ、オーストラリアのシドニー、チリのサンティアゴ、ニュージーランドのオークランド、インドのニューデリー、チェコのプラハ、韓国のソウル、香港、シンガポール、南アフリカのケープタウン、ウクライナのキエフ、ノルウェーのオスロ、イランのテヘラン、中国の北京、セルビアのベオグラード、クロアチアのザグレブ、メキシコのメキシコシティ、そして日本の東京、・・・。

・・・世界中の錚々たる町々の時節を飾っている。

2008年―ニューヨーク―ラコステのアイテムとともにニューヨーク・ファッション・ウィークのランウェイをゆくベハティ・プリンスルー。
2008年―ニューヨーク―ラコステのアイテムとともにニューヨーク・ファッション・ウィークのランウェイをゆくベハティ・プリンスルー

様相

年の1月から3月の間、そして9月から11月の間に開かれることの多いファッション・ウィーク。

極めて広く知られたニューヨークのそれを例に取るならば、その昔は全体的に商取引に偏っていたものであったが、しだいに種々のメディアを巻き込み、娯楽的な雰囲気を濃くしていった。すなわち報道陣や業者の入場を許可し、小売業者、ファッション雑誌の関係者、そして芸能界を中心とした各界の著名人らを受け入れるのだ。

いわゆるランウェイ―ファッション・ショー―が目玉としてあり、そこではやはりファッション・モデルの存在が欠かせない。そしてそのモデルらがその身にまとって披露するのは、帽子から宝石類から靴まで―様々なブランドを飾り歩く。

ただそうしたなかにあって、特定の品目に限定したファッション・ウィークもある。たとえば―水着に特化したマイアミ・ファッション・ウィーク、既製服に特化したプレタポルテ・ファッション・ウィーク、特製品に特化したクチュール・ファッション・ウィーク、・・・。

ファッションの大いなる祭典として輝きを放つ―そんなファッション・ウィークは、モデルらにとって自らの『美』を、そしてファッションデザイナーらにとって自らの作品を、衆目に披露するための絶好の機会となっている。

資料