西国七福神

20世紀のはじめ頃から知られるようになったという西国七福神さいごくしちふくじん)は、大阪府とその隣の兵庫県とにまたがり、その内にある特定の6つの寺と1つの神社―計7つの寺社をその霊場に定める。

阪急電鉄を利用して巡ることのできるこの霊場群は、その全てを一日で訪れることも可能な範囲にあり、『大福帳』と呼ばれる専用の帳面に各霊場の朱印を受けると、一体の小さな七福神を褒美に貰うことができるという。[1]

その札所の一ヶ寺、瀧安寺(弁財天)。
その札所の一ヶ寺、瀧安寺(弁財天)。

目次

札所

東光院(毘沙門天)

仏法を守護する四天王―毘沙門天(びしゃもんてん)。東光院(とうこういん)は行基の開基による曹洞宗の寺で、ハギの名所であることから、その通称を『萩の寺』という。本尊は十一面観音の像。境内には歴史に名を遺す俳人/歌人―正岡子規(まさおかしき)をはじめとしたハギを好んだ俳人たちの句碑があり、仏像や書画などの数多の寺宝を有している。所在は大阪府豊中市南桜塚1-12-7にて、阪急電鉄宝塚本線曽根駅の前、最寄の電停は同駅。[2][3][4]西に隣接して『萩の寺公園』という小さな公園がある。

円満寺(福禄寿)

福寿を司る道教の神―福禄寿(ふくろくじゅ)。円満寺(えんまんじ)は行基の開基による曹洞宗の寺で、延年山と号する。行基の手により天平元年(西暦729年)にこの地に創建された金禅寺という大寺の一宇であったものと伝えられ、市の指定文化財たる木造にして漆箔の阿弥陀如来像を寺宝に有し、これを目当てに訪れる参拝者も多いという。所在は大阪府豊中市螢池東町1-13-12にて、国立療養所刀根山病院のそば、最寄の電停は阪急電鉄/大阪高速鉄道蛍池駅。[5][6][7]真南に箕輪池という小さな池があり、ほど近く北に市立刀根山小学校と隣接して市営刀根山住宅があり、北方に広がる蛍池北町には市立螢池人権まちづくりセンターがあり、と、その周辺の見どころも多い。

西江寺(大黒天)

生産と家内安全の神として日本で大国主命(おおくにぬしのみこと)と習合した、古代インドの台所の神―大黒天(だいこくてん)。西江寺(さいこうじ)は役行者の手によって斉明天皇四年(西暦658年)に開山した高野山真言宗の寺で、明治時代の末期頃より聖天宮西江寺と号し、通称を箕面聖天という。『天狗祭り』と呼ばれる由来不明の祭が伝わる。所在は大阪府箕面市箕面2-5-27にて、最寄の電停は阪急電鉄箕面線箕面駅。[8][9][10]箕面観光ホテル・箕面温泉スパーガーデンなどのある温泉町が近い。

瀧安寺(弁財天)

穀物の豊穣、福徳、財運、音楽、芸能、そして河川の女神―弁財天(べんざいてん)。瀧安寺(りゅうあんじ)は役行者の手によって斉明天皇四年(西暦658年)に開山した本山修験宗の寺で、箕面山と号する。日本最古と言われる弁財天を本堂に祀っており、宝くじの発祥地とも言われている。所在は大阪府箕面市箕面公園2-23にて、最寄の電停は阪急電鉄箕面線箕面駅。[11][12]

呉服神社(恵比須神)

漁業ならびに商売繁盛の福神―恵比須神(えびす-)。呉服神社(くれは-)は呉服―機織裁縫の祖神であるという呉服比売神(呉服媛)を祀る神社で、大陸は遥かなる呉の国からこの地に渡来した工匠の縁起を今に伝える。所在は大阪府池田市室町7-4にて、阪急電鉄宝塚本線池田駅のすぐそば、最寄の電停は同駅。[13][14]間近に湛えるは猪名川の流れ。

中山寺(寿老人)

中国の宋に生きた長寿の福神―寿老人(じゅろうじん)。中山寺(なかやまでら)は聖徳太子の創建と伝えられる真言宗中山派の寺で、海の向こうは百済より請来の十一面観音を本尊に祀り、日本最初の観音霊場として開かれた寺であるという。西国三十三箇所の札所でもあり、安産の観音様との評判からお礼参りの赤子と家族の姿で平日にあっても賑わう。豊臣秀頼の再建によるものという伽藍を今に留め、国指定重要文化財の木造聖徳太子像を寺宝に有する。所在は兵庫県宝塚市中山寺2-11-1にて、阪急電鉄宝塚本線中山駅のすぐそば、最寄の電停は同駅。[15][16]周囲には観音院、成就院、宝蔵院、華蔵院、総持院といった配下の坊院が密集し、近場には他にも天光院、市杵島姫神社といった社寺が散在。裏手には中山観音公園が緑をたたえ、小川を隔てた東方の一角には中筋山手住宅という市営住宅が座している。

清澄寺(布袋尊)

中国唐代の僧に因む幸運の福神―布袋尊(ほていそん)。清澄寺(せいちょうじ)は国家安穏を願った宇多天皇の勅願をもって平安時代のはじめに創建された寺で、真言三宝宗の総本山にして、清荒神清澄寺(きよしこうじん-)と号する。様々な店が軒を連ねる参道の先に伽藍を据え、昭和五十年(西暦1975年)に建造されたものという美術館―富岡鉄斎(とみおかてっさい)の作品を展示する『鉄斎美術館』を境内に有し、重文の大日如来を本尊に拝しつつ、『毎日が祭のよう』と評される雰囲気を日々の界隈に伝える。所在は兵庫県宝塚市米谷字清シ1番地にて、最寄の電停は阪急電鉄宝塚本線清荒神駅。[17][18][19]

余話

朱印を受けるための大福帳とやらをどこで入手すればよいのかについては、ここに定かではない。更に、小さな七福神とやら―景品―を授与するのが如何なる主体であるのかについても、ここに定かではない。おそらくは阪急電鉄であると推測されるが、とりあえずのところで確かなことは、その大福帳が一冊あたり300円で、その朱印も各300円であるということ[20]、そしていわゆるスタンプ・ラリーにあたるこれが『集印めぐり』と呼ばれていることである(『日本全国七福神めぐり』 P.242 『阪急沿線西国七福神』)。