AlibiWanted
AlibiWanted(アリバイウォンテッド)は、2008年の3月11日に利用者登録をして現れた、イタリアとイタリア人を叩く映像ばかりを発表していた、自称英国在住のユーチューブ(YouTube)の利用者であった。
自らのお気に入り(Favorite)にもイタリア関連の動画ばかりを入れていたことから、明らかにイタリアとイタリア人をからかうことを主目的としてこのアカウントを取得したと思われたこの利用者は、その利用者登録からおおよそ2ヵ月半後にあたる2008年5月27日の時点で、5つの動画とともに20人の定期視聴者(Subscriber)を擁していたが、いつしか全ての動画とともにアカウントごと停止となった。
目次 |
アンチ・ワップ
その利用者ページの自己紹介欄には次のような記載があった。
- ―A.W.P(アンチ・ワップ党)への加入を 〔JOIN THE A.W.P. ( ANTI-WOP-PARTY )〕
ワップ(Wop)はイタリア人を指す蔑称の一。これに続けて次のようなことを記していた。
- ―ワップとホビットの違いは何? 〔What's the difference between a Wop and a Hobbit?〕
- ホビットのほうが背が高い 〔Hobbits are taller〕
- ホビットもさすがにシタリア人ほど毛深くはない 〔Hobbits are not as hairy as shitalians〕
- ホビットは週にもっとシャワーを浴びる、シタリア人が月に一度もシャワーを浴びない間に 〔Hobbits have more showers in one week,while shitalians don't take a single shower in a month〕
- ホビットにはいくらかの友がいる 〔Hobbits have some friends〕
- ホビットには名声がある 〔Hobbits are renowned〕
- ホビットは彼らの友達と同盟に対して忠実である 〔Hobbits are loyal to their friends and allies〕
- ホビットは理想を持っている 〔Hobbits have ideals〕
- ホビットは動物をこましたりしない 〔Hobbits don't fuck animals〕
- 我慢強いホビットは人間性に対する罪を犯したりはしない そして大きな違い ― 戦場のホビットは逞しく勇敢である。 〔Bearing Hobbits is no crime against humanity And the biggest difference - Hobbits on a battlefield, fight hard and brave.〕
『シタリアン(Shitalian)』―これは『シット(Shit―糞)』と『イタリアン(Italian―イタリア人)』の合成語であり、この利用者のほかにもユーチューブ上で様々な人々がイタリア人に対して使用しているスラングである。
人物像
こういうことをするのはフランス人に多く見られることから、フランス人である可能性が高かったと推測することができるが、その動画のひとつ―『Italians lol』の終盤で一瞬ではあるがアドルフ・ヒトラーのパリ入場の写真を使っていたことから、そうでない可能性もあったものといささかながらも推測することができた。
MindTheMind1というイタリア人の利用者は、自らのある動画の説明欄にて、この利用者―AlibiWantedについて『フランス人の友人に射撃を学んでいる人物』であると―もしくは暗にフランス人であると―説明している。ここに言われるところの『射撃』とはすなわち『イタリア人への攻撃』のことである。
動画群
2008年5月27日の時点で5つの動画を公開していた。―その全てがイタリアとイタリア人を嘲笑う内容の映像であった。
- 『Does Italy Suck?』 - 2008年4月26日に公開された動画で、全長3分1秒。その動画群のうちで最も古いもので、写真を豊富に用いてイタリア人を嘲笑う。
- 『Italians lol』 - 2008年4月28日に公開された動画で、全長4分5秒。イタリア軍やイタリアの車、イタリアのワイン、イタリア人の身長、イタリア人男性/女性などをそのテーマとして、写真を豊富に用いてイタリア人を嘲笑う。いわく、『このビデオは、自分らがヨーロッパ最強の武力を持つと言い張るイタリアのキチガイらへの、それとヨーロッパどころか世界最強と言い張るあるひとりの負け犬への返答である。』...
- 『FORZAITALIA LOL』 - 2008年4月30日に公開された動画で、全長2分8秒。写真を豊富に用いてイタリアを嘲笑ったもので、イタリアの軍、サッカー、食べ物、などがテーマとなっている。いわく、『イタリアは勇敢な名誉ある国?イタリアの料理は世界一?イタリアのサッカーは最高峰?イタリアの女たちは魅力的?イタリアの男たちはゲイ?・・・悪いねこんなタイミングで。私がアップロードするまでそれは完璧だった』...
- 『The Italian National Anthem + Greasy is the word lol』 - 2008年5月4日に公開された動画で、全長5分5秒。イタリアの国歌を背後に流し、写真を豊富に用いてイタリアを嘲笑うというものであるが、明らかにイタリア人ではない人物のそれや、イタリアとほとんど何の関係もない人物のそれなども登場する。例えば―サダム・フセイン、ジョージ・ウォーカー・ブッシュ、マイスペース社長のトム・アンダーソン、ラッパーのリル・ジョン、ストリートファイターのザンギエフ、... いわく、『これは、彼らがあなたに見てほしくないイタリアのスライドショーです』... なぜか未成年者に不適切な動画に認定されていたため、視聴するには成人年齢のアカウントでログインしておく必要があった。
- 『REPSOL』 - 2008年5月11日に公開された動画で、全長2分35秒。自らのカメラを用いてキプロスで撮ったものというこの映像は、本人のバイクであるというホンダの『CBR1000』―レプソル―の停止中の姿を様々な角度から捉えている。ただそれだけの映像であったが、ただひとつ挙げられた変わった点―それは、ナンバープレートのところに付けられた『FUCK SHITALY(ファック・シタリィ)』と書かれた板であろう。カメラを持って撮影する本人らしき人物の影も映っていた。
これらのうちのいくつかは、同じくイタリアとイタリア人を馬鹿にする旨の動画ばかりを公開しているザイタリアンアーミーハハハという利用者のチャンネルでも公開されている。
資料
- shitalian(2008年7月17日) - Urban Dictionary